神明造りとの違い

Shinmei zukuri

日本全国には88,000社以上の神社があると言われ、
最も多い宗教的文化建築物です。
その様式は非常に多様で、宗派や地域などにより
細かな部分ではかなり違いがあります。
しかし、大きく大別すると2つにわけることが
できると言えます。
一つは古代の住居がもとになったと言われる
「大社造り」、
もう一つは高床式の穀物蔵が
もとになったと言われる「神明造り」です。
大社造りで最も古い建築物は島根県の神魂(かもす)神社本殿(1346年)と言われています。

神魂神社 拝殿:島根県松江市
神魂神社 本殿 島根県松江市

「大社造り」と「神明造り」

出雲大社の御本殿は「大社造り」の典型といわれています。「大社造り」とは、伊勢神宮の「神明造り」と対比される独特の形式で、日本最古の神社建築様式とされます。

  • 大社造り(出雲大社)
    大社造り(出雲大社)
  • 神明造り(伊勢神宮)
    神明造り(伊勢神宮)

もとにしている建築様式が
「住居」と「倉庫」

神明造は古代の高床式倉庫がもとになり、宮殿形式に発展したと言われている。それに対して、大社造りは弥生時代の住居をもとにしている。檜を原材料にした直線的で装飾のないシンプルな美しさが、伊勢神宮を中心とする神明造の特徴であるが、屋根に曲線を取り入れ雄大な美しさが出雲大社を中心とする大社造りの特徴だといえる。
神明造りの様式で高床式が採用されている理由として、以下のような説が挙げられている。日本国民の総氏神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫にあたる神である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に由来するという説だ。瓊瓊杵尊の正式名称は「天津彦彦瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと)」で、この神名に含まれる「ほのににぎ」が「稲穂」の実った様子を表した言葉であり、「国土の王」をも意味すると云われている。
また、瓊瓊杵尊は天から地上に降り立った後に、天照大御神から地上で稲穂の栽培をするように命じられたとも云われている。これらから連想して、「瓊瓊杵尊→天照大御神→稲穂→神聖なもの→神聖な稲穂を大切に保管できる建物→高床式倉庫」となったと本説では考えられている。神聖な稲穂を動物や昆虫類から守って大切に保管するという意味を込めて高床式にしたということである。

伊勢神宮の「唯一神明造り」である高床式倉庫の外幣殿
伊勢神宮の「唯一神明造り」である高床式倉庫の外幣殿

屋根のつくりが「妻入」と「平入」

大社造りの屋根の形状は代表的な形式の切妻造(本を開いて伏せたような傾斜の屋根) で、屋根が三角に見える部分である妻側に入り口がある妻入の構造になっている。屋根には千木(置千木という大棟に置かれる形式の千木)と鰹木が設けられている。大社造りの屋根には優美な曲線があるという点も特徴の一つだ。
神明造の屋根の形状も代表的な形式の切妻造(きりづまづくり)で、屋根が面に見える部分である平側に入り口がある平入の構造になっている。屋根には千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)が設けられている。
神明造りにおける千木は、破風(はふ)の延長上に屋根から突き抜けた形状をしている。 優美な曲線がある大社造りと異なり、神明造りの屋根は直線的でほとんど装飾のないシンプルな外観をしているという点も両者の違いの一つである。

  • 切妻造妻入り:出雲大社 神楽殿
    切妻造妻入り:出雲大社 神楽殿
  • 伊勢神宮 内宮(風日祈宮)
    伊勢神宮 内宮(風日祈宮)
熊野大社
熊野大社

代表的な神社は
「出雲大社」と「伊勢神宮」

大社造りの代表的な神社は「出雲大社」で他には熊野大社(島根県松江市)、佐太神社(島根県松江市)、須佐神社(島根県出雲市)など。神明造の代表的な神社は「伊勢神宮」で他には仁科神明宮、阿佐ヶ谷神明宮(東京都杉並区)、熱田神宮(愛知県名古屋市)、東京大神宮(東京都千代田区)、靖国神社(東京都千代田区)などがあげられる。

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